ちいさいひと3巻|被災した子供達と児童福祉士たち
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(3巻あらすじ)
3月11日、その地震は突然やってきた。
人々が体験したこともないような激しい揺れは津波を引き起こし、家をそして人さえも飲み込んでいった…
厚生労働省から被災地へ応援要員の要請があり、真っ先に手を挙げた健太。
しかし、所長からは半人前の足手まといはダメだと一蹴されてしまう。
その上、休みもロクに取っていないのだからこの機会にまとまった休みを取れと言われてしまい…
この意見に落ち込む健太であったが休みを利用して被災地にボランティアに行けると考え、所長の隠された意図に気がつく。
それに気がついた藤井も健太に協力し、知り合いがいる石巻児童相談所を紹介してくれたのである。
こうして健太は被災地の子供達を救うべく、宮城県へと向かった。
現地で健太は石巻児童相談所の佐藤と出会う。
同期であることが分かった佐藤の提案でその日は家に泊めてもらうことになる。
人手も時間も何もかも足りない…
己の無力さを嘆く佐藤を見て健太は自分に何ができるのかと考えていた。
翌日も安否確認が続く…
最後の1人を確認した小学校で、健太は子育てに不安を感じ面会予定だった大島親子に出会う。
被災する前、子供がいなければと不安を漏らしていた母親だったが津波から命がけで子供を守り生き抜いていた。
また、生存不明だった父親も再会し、子供の力強い言葉に励まされ気持ちを改めることが出来た。
そして、その場面を目の当たりにした石巻児童相談所のスタッフもこれから大島親子を支えることを約束する。
自分に何ができるのか…健太の疑問は大島親子を見ていて一つの答えにたどり着く。
ちいさいひと3巻|登場人物紹介
相川 健太
テレビで災害の様子を目の当たりにし、自分も力になりたいと宮城県石巻へ向かう。
佐藤 優介
石巻児童相談所の職員で、1年目の児童福祉司。
所長の熱い気持ちに感化され、被災した子供達のために全力でひた走る。
梅原 祐美
石巻児童相談所の職員で大島親子の担当職員。
被災し、行方不明になった大島親子の安否を気にかけている。
被災地の中で児童福祉司にできること
たくさんの命が失われた東日本大震災ですが、子供の命もまた失われていきました。
加えて両親や片親を亡くした子供も大勢おり、津波の恐怖に加えて心に傷を負った子供達。
主人公も何か自分にできる事はないかと飛び出して行きましたが、結果は殆ど無力でした。
しかし、自分には戻って支えなければならない子供達がいる事に気づかされます。
今、自分に出来ることやらなければならない事を見極め、行動する。
主人公がまた一つ、成長した巻でした。
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